ばね指(弾発指)について

質問

当サイトには、「整形外科の病気Q&A」というコーナーがありますが、最近、50歳代前半の女性のかたから、次のようなご質問をお受けしました。

「最近4ヶ月間左手の中指が曲がりにくくなりました。指を曲げて物を持ったら、指がもどらなくなり、右手で左手の中指を戻さないといけなくなります。痛みがあるのでサロンパスを貼っています。中指は少し熱があるかな?というくらいです。人間ドックを受けてますが、リウマチ反応が+くらいだったと思います。近所の医者に検査してもらったら、血液検査では何もないといわれました。どうしたらよいのかアドバイスを下さい。」

回答

左中指が痛く、一度指を曲げるとのびなくなるということです。これは“ばね指”(弾発指)というものです。
図1のように、指を曲げる腱(すじ)は、その腱が動くときに横にずれないようにトンネルの中(腱鞘…刀の鞘のような役目)を行ったり来たりしています。

指を使いすぎると、このトンネルの中で浮腫(はれ)がきて、いわゆる炎症を起こします―これが腱鞘炎です(図4)。これが重なると、腱鞘がはれたり、腱が大きくなったりして、腱がトンネルの手前で動きが停まることがあります(多くは腱にコブができて、これがトンネルの中に入るのを邪魔しているのです)。これが“ばね指”です(図4)。

そして無理矢理に指を伸ばすと、痛みが出て、突然にバネじかけのようになって指が伸びます。
-これが弾発現象といわれるものです(図2・3)。

腱が無理矢理に行き来しますので、こすれて炎症を起こし、ここでも腱鞘炎を起こして痛いのです(図4)。
治療は、温めたり、その上の皮膚をこすったり、痛み止めの“ぬりぐすり”などをぬったり、はりぐすりをはったりして、血のめぐりをよくしたり、炎症を抑えたりします。急激に痛くなったときは冷やすのもよいでしょう。

次の段階では、このはれたところにある種のくすりを注射して炎症を鎮静させることです。この注射はかなり効果的です(図5)。
このようにしてもよくならないときは手術をします。1cm ぐらい切って、腱が通るトンネル(腱鞘)を切り開きます(図6)。15分もあればすみます。
いずれにしても整形外科を受診して、よく相談してください。