腰痛のはなし

コラム 「腰痛のはなし」

1. 姿勢について

腰痛を起こす原因で最も多いものは、長時間悪い姿勢を続けたためにおこるものや、中腰で重たいものを持ち上げたりして起こるギックリ腰です。
では、よい姿勢とはどういうものでしょうか。壁に背を向けて立ち、かかとが壁から10㎝程度はなれた状態で、腰と壁との間に手が一つ入るくらい(2~3㎝)がよいといえます。
姿勢が悪いために腰痛が起こる人は手が二つも入る人が多いようです。
最も悪い姿勢は、お腹が前に出て。お尻が後ろへ突き出して腰がくぼんだ格好(前わんの増強)です。このような姿勢を続けることにより腰痛が起こりやすいと言えます。

youtu1しかし、姿勢をよくするためには背筋をまっすぐにするだけではだめです。腰のわん曲は骨盤の傾斜で変わってきます。
骨盤の傾斜は正常時には図1の a のようにやや前方に傾いていますが、腰痛が起こりやすい人は、 b のように骨盤の傾斜が強く、お腹が突き出ています。 c のように骨盤が水平に近いようにし、背筋をまっすぐにすることが必要です。
そのためには、骨盤が後方に回旋するように日常生活に注意したり、腹筋や臀部の筋力をつけたり、縮んでいる筋肉を伸ばすことが必要です。

2. 立位で作業するときの注意点

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立位で作業する場合は、片足を足台(10 ~ 20cm の高さ)にのせることにより、腰椎の前わんが少なくなります。
足台がない場合でも、足を前後に開くことにより腰への負担が軽くなります。

3. 歩行時の注意点

歩行時には前かがみになった姿勢や反り返ったような姿勢は好ましくありません。
背筋を伸ばすとどの筋肉にも無理がない自然な歩き方になります。また、手も自然に振るようにして下さい。
靴は自分にあった大きさを選び、足に痛みが出るようなものは好ましくありません。靴のかかとが高すぎると腰椎の前わんが増大するので、かかとは 3cm 以下のものがよいでしょう。

4. 椅子、畳などに座るときの注意点

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椅子に座るときは、高いものは避け背もたれのあるものにし、深く腰をかけましょう。
畳に座るときには膝の痛みがない限り背筋を伸ばした正座が好ましいでしょう。あぐらをかく場合は、座ぶとんを二つ折りにしたものをおしりの下に入れましょう。
車を運転する時はシートを約110度に倒し、深く腰をかけて運転しましょう。同じ姿勢は1時間以内にし、途中で休みましょう。腰とシートの間には小枕をいれるのもよいでしょう。

5. 睡眠時の注意点

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敷ぶとん、マットレスは少しかためのものを選びましょう。眠るときは膝の下に枕などをいれ足を曲げて眠るようにしましょう。
横向きに眠るときは膝と股関節を曲げてエビのように丸くなりましょう。
腹ばいは一番悪い姿勢です。
一日一回は図のような姿勢で、20分程度休息をとることも心がけましょう。

6. 物を持ち上げる時の注意点

両足を軽く前後に開き、物の近くに立ちます。
手の力だけではなく骨盤の回旋や足の力を利用することが大切です。
上半身だけで持とうとすると骨盤が固定され、背筋がそり、前わんが矯正された姿勢となり、ギックリ腰のもとになります。

7. 下肢の筋力や体力の必要性

腹筋や下肢の筋力は腰椎の前わんと骨盤の前傾を減少させ、腹圧を高めるために重要な要素の一つです。また、全身の体力(持久力)や筋肉の持久力が弱まると腰部にストレスが集中します。
したがって、下肢の筋力や体力をつけることが必要です。

8. 自分に適した腰部体操の実施

今まで述べてきた日常生活の注意を守り、またそれらを実行するためには、各個人に適した腰部体操を毎日根気よく行うことが必要です。
体操は医師の処方されたものを行い、腰痛の強いときにはひかえた方がよいでしょう。
また、一度習った体操は一週間後に正しく行えているかどうか医師にみてもらってください。